地方公務員を辞めたいと思った瞬間6選│11年勤務した元市役所職員が本気で限界を感じた理由

市役所を辞めたい人へ

・市役所の仕事が辛くて辞めたい…
・地方公務員として採用されたけど、毎日出勤するのが嫌だ…
・公務員って勝ち組だと思ってたのに、全然そう思わない…

せっかく地方公務員になれたのに、このように感じる方は多いのではないでしょうか。

市役所って、楽だし安定してるからいいよねー

こんなことよく言われます。だけど、必ずしもそうとは限りません。

私は、市役所職員として11年勤務しましたが、心身ともに限界が来てしまい退職を決意しました。

在職中は、何度も何度も辞めたいと思ったことがあります。

この記事では、私の経験上、地方公務員の多くが感じるであろう、仕事を辞めたいと思う瞬間を挙げています。

この記事を読めば、「公務員が辛くて辞めたいのは自分だけではない」と共感できるはずです。

地方公務員を辞めたいと感じる瞬間

市民からの理不尽なクレームで心が折れる

市役所職員は、公的手続きなどに関して、市民の直接の窓口となります。

市民にはいろいろな方がいらっしゃるので、心無い言葉を浴びせられることも多くあるのです。

私が実際に言われた言葉

・税金泥棒!
・市役所の人ってあなたみたいな無能な人ばかりだね!
・楽して金もらえていいね!
・SNSでお前の情報拡散して辞めさせてやる!

挙げたらキリがありません。もっともっとたくさんあります。

制度の説明をしても納得されず、

机をバンバン叩きながら、2時間以上怒鳴られたこともあります。

市役所の職員には何言ってもいい”、って思っているような方がたくさんいるように感じていました。

税の徴収担当になった職員は、刃物を出されたことがある人を何人も知っています

本当に辞めたいと思うほどの精神的苦痛を感じる場面が本当に多いんです。

仕事だからと、割り切るべきなのはわかってます。だけど、あまりに酷い言葉を言われ続けると、それがわからなくなってしまうんです。

条例や要項に縛られすぎて、柔軟な対応ができない

公務員の仕事は、条例や要綱が全てです。何をするにも、根拠が必要となります。

例として、いくつか挙げてみます。

文書を出す時

例えば、市役所から個人や業者に簡易な文書を1つ出すとします。

出す前には必ず、その内容を課内全員に見てもらい、決裁してもらわなければならないんです。

大した事ない作業なのに、出すまでにものすごく時間がかかります

決裁に時間がかかるせいで、”文書が届くのが遅い!”とお叱りを受けたことが多々あります。

自分のせいじゃないのに…って感じますよね。

市役所が業務を発注するとき

印刷や物品購入などの業務を発注する際も、市の発注業者一覧に登録されていないと頼めません

いくら安くて有料な企業があっても、これも条例で定められているため登録されていないとダメなんです。

例えば、アマゾンや楽天など、最近はネットで買うのが安くて主流ですよね。

ネットで何かを購入することなんてできません。費用を抑えることがしずらいので、税金の無駄遣いもかなり多いと思います。

これをこの値段で買うの!?なんてことは多々あり。

自分のお金だとしたらゾッとしますね。

業務において改革が行われる時

数年前、

・デジタル化
・押印廃止

これらを国が推奨していた時期がありましたよね。

この時、全ての業務において、条例や要綱の改正をしなければならず、本っ当に大変でした。

(例えば、”この書類に押印は必要ない”と条例で示さないといけない、とか…)

”押印廃止のための条例改正”のせいで、毎日残業する時期が数カ月続きました。

この作業、いる?って何度思ったことか。

働き方改革が進んでいない

コロナをきっかけに、テレワークを導入する企業も増えたことと思います。

ただ、私の所属する自治体ではほとんどできていませんでした

理由は、”個人情報を扱う業務がほとんどだから”です。(私の所属する部署が特にそうだったのもあります。)

政令指定都市や、世の中の動きに合わせていこうとする方向性を持った市長がいれば、導入している自治体もあると思います。

ただやはり、個人情報を取り扱う部署は、家に持ち帰って仕事をするのは難しいです。

民間で働いている友達の多くは、テレワークで柔軟に働いています。

子どもも産まれた私は、そのような話を聞いて、とても羨ましく感じていました。

給料が上がらない

市役所って給料高いんでしょ?

なぜか、何度かそう言われたことがあります。

私は、そう感じたことはありません。

・公務員は、勤務年数に応じて徐々に給料が上がっていくので、若手のうちは特に給料が少なくキツい
・部長クラスになったとしても、これだけしかもらえないの・・・?という額
(私のいた市役所では市長になっても年収1,000万円は超えない

市民からのクレームなどの、精神的苦痛を感じながらこの給料で仕事を続けることに、辞めたいという思いが助長されていました。

一応、業績評価制度はあります。

でも、どういう基準で評価されているのか謎なシステムでした。

(権力ある人が上がっていくイメージ…)

数年おきに異動がある

これは、合わない人にとっては本当にデメリットといえます。(私もそうでした)

市役所って、癒着を防ぐために、必ず数年で異動するんです。

私が感じていたデメリット①

せっかく覚えた業務も、異動することで全て1からになる。

部署異動は、転職のようなものです。全く別の畑の仕事をするということです。

私は、子ども・教育部門から、いきなり介護保険課に異動になったことがあります。

もちろん介護保険のことなんてこれっぽっちも知りません。

ですが、”知らない”なんてことは通用せず、初日から市民からの問い合わせがバンバン来ます。

そんなこともわからないの?”と毎回怒られ、半泣きになりながら、必死に業務をこなしていました

異動したばかりの頃のストレスが本当に大きく、このストレスが定期的に来ると思うと、辞めたいと思わざるを得なかったです。

私が感じていたデメリット②

異動することで人間関係も1から作り直しになる

せっかく今の部署の人たちと、打ち解けられるようになった…!

というのも束の間で、異動になると全員メンバーが変わります

学生時代はクラス替えがストレスとなっていた私にとって、メンバーが定期的に総代わりするのが本当に辛かったです。

周りの人達は人間関係が築き上がっているのに、そこにポンと放り込まれるわけです。

しかも、その状況でわからないことを質問しまくらなければならないのです。

それが数年おきって…ゾッとしますよね。

苦手な人がいても、

数年で必ず離れられるということはメリットではあります。

逆に、定期的な異動が向いている方もいらっしゃると思います。

・エキスパートではなく、新しい知識を常に求め続けたい方
・人間関係も常に広げ続けたい方

このように感じる方にとっては、異動はメリットになりますね。

災害時に出勤しなければならない

大地震が起こった時や、万が一、テロ事件が発生してしまった時。

避難するどころか、地方公務員の職員は出勤しなければなりません。

これは、子どものいる私にとっては相当なデメリットです。

大地震なんかが起こってしまうと、職員全員出勤しなければならないと決まっています。

万が一災害が起こったら、子どもはどうしたらいいの…?と考えていました。

災害時に出勤するということは、

・出勤途中に命を落とす危険がある
・部署や役職によっては、休みの日でも、大雨警報や台風の日は出勤する必要がある

ということです。

私は避難所担当になったことがあり、夜中に大雨の中、小学校の体育館を避難所開設しなければなりませんでした。

避難所が開設されるほどの大雨で暗い中、運転しました。

出勤途中、私死ぬんじゃないか?と思いました。でも、行けませんなんて言えませんよね…

その時に、市役所の仕事って命がけじゃん…と気づきました。

まとめ〜市役所の仕事を辞めたいと感じる瞬間は多い〜

以上、市役所を辞めたい瞬間を6つ挙げましたが、細かいところを挙げるともっともっとあります

あくまでも私個人が感じたことですが、同じように辞めたいと感じたことがある方はいらっしゃるのはないでしょうか?

「市役所は楽」と思われていることが多いです。

それによって、なかなか外部の人に、「辞めたい」「つらい」と相談しづらいですよね…

この記事を見て、”辛いのは自分だけではない”と、共感してくださる方がいらっしゃればとても嬉しいです。

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