・これから病気休暇に入るところなんだけど…
・復職が考えられなくて、そのまま辞めてしまいたい
・そんなことアリなの?可能なの?
地方公務員が病気休暇に入った場合、復職が考えられないのは普通のことです。
復職をする方ももちろんいらっしゃいますが、そのまま辞めてしまいたいと思うケースもありますよね。
私は、適応障害になって病気休暇を4ヶ月ほど取り、そのまま市役所を退職しました。結果、そのまま辞めることは可能です。
実体験を通して、メリット・デメリットに感じたことをまとめています。
この記事を読むことで、自分が病気休暇からそのまま退職するべきなのかを考えるヒントになるはずです。
病気休暇・休職制度のおさらい
地方公務員の病気休暇の概要は、一般的に以下のようになっています。
休む期間 | 収入 |
最初の90日間(病気休暇) | 全額給与として支給 |
その後1年間(休職) | 給与の8割が支給 |
さらにその後1年間(休職) | 傷病手当(給与の8割)が支給 |
地方公務員が病気休暇をとっても、収入面の不安は当面必要ありません。安心して自分の体を優先させましょう。
最大2年3ヶ月もある程度収入が保証されているのは、公務員の特権ですよね。
※あくまでも一般的な話ですので、自治体によって異なるケースもあります。必ず勤務先の人事課に確認しましょう。
病気休暇からそのまま退職するメリット
病気休暇中に、今後のことをゆっくりと考えられる
病気休暇を取ると、自分と向き合う時間が多くあります。
休みはじめの頃は、今後どうするか?なんて考える余裕もないので、休養に専念してください。
少し体調が改善してくると、今後のことについて考えることが増えてくると思います。
- 自分は転職した方がいいのかな?
- 転職するとしたら、自分に適正な職業はどんなものがあるだろう…
- 退職したいけど、収入面は大丈夫かな?
仕事というストレスからは解放されるので、ゆっくりと今後のことを調べたり考えたりできるのです。
私も、病気休暇をとった当初は、まさか辞める決意をするなんて思っていませんでした。
少し回復してきた時に、病気休暇中の時間を使って、いろいろ調べてみたんです。
転職サイトを見てみたり、個人事業主になるためにはどうすればいいのか、など…
また、地方公務員は病気休暇中の収入が保証されているので、お金の心配をする必要もありません。
病気休暇中のこの時間が無ければ、焦ること無く、自分が納得行くまで十分調べることもできなかったと思っています。
病気休暇中に収入を得ながら少しずつ準備ができる
退職するとなると、その後の準備が必要になります。
転職する場合
転職するには、転職活動をする必要があります。
在職中に転職活動もできなくはないですが、時間も限られているので、かなり大変だと思います。
自己分析、転職先のリサーチ、履歴書の作成、面接、など…
病気休暇中だと、仕事のストレス無く、転職活動に専念することができますよね。
私も、病気休暇中に転職活動をしていた時期がありましたが、有給をとったりすることも無く、いつでも面接が受けれたりすることがとてもメリットに感じました。
フリーランスになる場合
フリーランスになるための職種は多々ありますが、スキル無しでいきなり始めるのは無理があると思います。
退職してから準備を始めるより、病気休暇中の時間を使ってスキルアップすれば、退職後に効率よく稼げるようになりますよね。
例えば、下記のような準備を行うことができます。
- 動画編集→独学やスクールで編集ソフトの使い方を学んでおく
- Webライター→ブログを作成しライティング技術を磨く
- クラウドソーシングサイトでの営業文を作成しておく
これらを退職前にしておけば、退職後スムーズにフリーランスに移行できるかと思います。
退職までは副業できないにしても、スキルアップするだけでは収益も発生しないので、堂々とできるはずです。
私は最終的に、フリーランスを選びましたが、病気休暇中はガッツリスキルアップにあてました。
退職に向かって行動しているので、モチベーションが下がることもあまり無かったです。

病休中にいろいろ試してみて、
自分に合いそうな職種を早めに見つけることができました。
復職後、気まずい思いをしなくていい
病気休暇をとると、
あの人はメンタルを崩した人だ
と、職場の人にレッテルを貼られてしまいます。
(時間が経つと忘れられると思いますが、私みたいな繊細さんは気になりますよね…)
復職したら、周りの目が気になってしょうがないと思います。
- 休んで迷惑かけたから、嫌われてるだろうな
- メンタル弱いと思われてるだろうな
- 変に気を使われそうで嫌だな
私は病気休暇中に何度も、上記のように考えてしまい、胸が苦しくなってしまいました。(めちゃくちゃ繊細なんです…!)
復職したら、ただでさえ病み上がりなのに、周りを気にして嫌な思いをせざるを得ないと思っています。
ですが、そのまま退職すれば、もう職場の人と顔を合わせることもありません。
職場の人にどう思われようが、もう関係無いので、割り切ることができました。

手続き関係は全て郵送で済ませました。
強引に引き留められずに辞められる
在職中に退職することを上司に伝えた場合、まず上司に引き止められます。
その後、人事や同僚等、多方面から引き止められると思うとうんざりしますよね。
ですが、病気休暇からの退職だと、実際にあまり引き止められずに辞めることができました。
その理由についてお話したいと思います。
体調不良という正当な理由がある
病気休暇をとっているくらいですから、公務員として働けない状態なのです。
その状態の人に、「もうちょっと考えてほしい」なんて言えないですよね。
私も実際に伝える時は、フリーランスになりたいことは伝えず、体調不良ということだけを伝えました。
実際に、治る見込みが無さそうなら、仕方ないですよね、という感じであっさり受け入れてもらえました。
退職することを伝えるのは結構なストレスだったので、受け入れてもらえた瞬間に、スッと心が軽くなったのを今でも覚えています。
そもそも対面することがあまり無いので引き止めの機会が少ない
病気休暇中は、職場の人と会う機会がほとんどありません。
私の場合は、月に1度、人事課の担当係長(時には課長も同席)と面談がありました。
所属部署の人たちとはなるべく関わらないようにと精神科医からも言われていたので、やり取りは全て人事課でした。
ですので、こちらから接触することが無ければ、引き止められる可能性があるのは人事課職員くらいです。
在職中であれば、同期や同じ部署の同僚など、いろいろな人から引き止められる可能性はあります。
実際に私は人事課の職員から少し引き止められたくらいなので、引き止められるストレスに感じることは無かったです。

退職を知った同期からは、これからどうするの?と連絡が来たりもしました。
市役所での関わりはもう無くなっていいと思っていたので、
「また今度話すよー」と適当に受け流しました。
病気が理由であれば、退職することに家族も納得しやすい
仕事を辞めたいけど、家族を説得できるか不安…
家族が納得してくれるかどうか、悩む方は多いと思います。(私も本っっ当に悩みました)
私は適応障害になる前から退職したいと思っていましたが、夫を説得できないんじゃないかという不安が行動できなかった1番の理由です。
ただ、我慢し続けて適応障害になってしまった時、
精神を病んでしまってまで続ける必要無いよ
と言ってくれました。
そこから、退職することへの決意が具体的に進んでいったと思います。
仕事が原因で体調を崩してしまったのに、自分の家族に「仕事を辞めるな」なんて言いませんよね?
もし限界が来て体調を崩してしまったら、家族を説得できる絶好の機会だと思ってもいいと思います。
病気休暇からそのまま退職するデメリット
病気休暇からそのまま退職するのは、デメリットもいくつかあります。

個人的には、メリットの方が圧倒的に多いと思うけどね
自分が感じたデメリットを、いくつか挙げます。
職場のデスクの片付けをどうするか悩む
病気休暇からそのまま退職するとしたら、もう出勤することはありません。
ですが、職場のデスクはそのまま残っているはずですので、その片付けが必要になります。
周りが勤務している時間帯に片付けに行くのは、よっぽどの鋼メンタルの人でないと難しいと思います。
誰にも会わずに片付けができるようにするには、
- 日曜の夜など、職場の人がいない時間帯を狙って片付けに行く
- 信頼できる友人などがいれば、お願いする
- 全部処分してもらっていいと上司に伝える
このような対応をすればいいと思います。
私の場合、さすがに人に頼めないなと思ったので、日曜の夜23時頃を狙って片付けに行きました。
誰もいないだろうと思いながらも、本当にドキドキしましたし、憂鬱でした。。。
職場に行くということが、自分にとってはとてもハードルが高く、辛かったです。
ですが、これが終わればもう退職できる!ここに来ることはもう無い!と思って、なんとか片付けることができました。

気持ち程度にですが、菓子折りも置いて帰りました。
過去に病気休暇から退職した同僚がいましたが、片付けに来ることも難しかったようで、全て処分しておいてほしいと連絡がありました。
その時は、課内の人たちで片付けをしましたが、仕方のないことなので、迷惑だと思うことは無かったです。
出向くのが難しそうな人は、無理をしなくていいと思います!
同僚や上司との関係に後味が残る可能性がある
病気休暇からそのまま退職することは、悪いことではありません。自分を守るためには、必要なことです。
ですがやはり、同僚や上司には少なからず迷惑をかけてしまうことになります。
私の場合、職場の人と顔を合わせることが難しかったため、引き継ぎや挨拶をすることなく退職してしまいました。
上司には、迷惑をかけて申し訳ないこと、今までのお礼のメールを送ったのみです。
正直、今後どこかでバッタリ会ってしまったりしたら、めちゃめちゃ気まずいです。
ですが、プライベートでもう関わることは無いと割り切って、気にしないようにすれば大丈夫です。
自分の人生にもう関係ない人に嫌われようと、何の影響もありません。
一番大事なのは自分です。自分を守るためだと思えば、大した事ないですよね。
そのまま退職することが、”逃げ”や”甘え”ではないかと不安になる
- 地方公務員なんて楽だと言われているのに、そのまま退職するなんてみじめじゃないか?
- 復職もできないなんて自分には生きてる価値が無い
- 他にも公務員として働いてる人たちはたくさんいるのに…
復職をせずに退職してしまうことは、自分が弱いからだ、と思い込んでしまうことがあります。
私のように、周りの目ばかり気にしてしまう方は特にそう思ってしまいますよね。
ですが、弱いからだなんて思わないでください。
復職できるなら、あなたはその選択をしているはずです。
もう限界がきてしまったから、病気休暇を取るんです。回復しないのに、そこからまた無理をする必要がありますか?
地方公務員以外にも選択肢はたくさんあります。周りに公務員しかいないから、それが見えていないんです。
自分の心が安定して生きていくために、別の選択肢を選ぶだけです。
短い人生なのに、大半の時間をつらい思いしながら過ごすってもったいないですよね?
楽しているわけではありません。自分の人生を豊かにするための大事な選択なんです。
ですので、決して逃げや甘えなんてことはありません!!!
病気休暇から退職することを決断する前に考えておきたいこと
本当に、”今”辞めるべき?
仕事によって心が病んでしまうと、全て投げ出したくなるものです。だけど、焦って決断してしまうのは良くありません。
後になってから、
部署異動などの配慮をしてもらえば働けたかもしれない…
などと後悔してしまうのは何としてでも防ぎたいですよね。
- 自分の決断が揺るがないか数カ月待ってみてから退職を伝える
- 家族や信頼できる友人に意見を聞いてみる
勢いで退職するのを防ぐために、一度立ち止まって上記のようなことをしてみるといいと思います。
私も、後で後悔をしないために、退職を決意するのに3,4ヶ月は待ちました。
それでも変わらなかったら、自分の決断は間違っていないと思ったからです。

しばらく待っても収入はあるので、
納得いくまで時間を置いてもいいと思います!
家族からも、
焦って決断せずに、よくよく考えてから決断したらいいと思うよ
と助言をもらいました。
まとめ│一番大事なのは「自分を守る選択」
地方公務員が病気休暇からそのまま退職することのメリット・デメリットをいくつか挙げました。
結論は、「自分の体と心を守る」ということを最優先にして、どうするのが良いか考えるべきだということを伝えたいです。
そうすれば、自ずと答えは出てくると思います。
焦らずに、周りの人に相談しながら、少しずつ方向性を決めていけることを願っています。
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