市役所職員である以上、市民からのクレームは必ず受けたことがあると思います。
何時間も窓口で怒鳴られ続けるなんてざらにあります。本当にしんどいですよね⋯。

私も何年経ってもクレームに慣れず、
毎日しんどかったです。
この記事では、私が実践していたクレームから「心を守る工夫」を紹介します。
この記事を読んで、毎日のクレームがしんどいと感じている方にとって、少しでも楽に考えられるようになっていただきたいです。
すでに「市役所辞めたい」と思うほど辛い方は、コチラも読んでみてください。
私が実践していたクレームに耐える方法
”全ては金をもらうため”だと考える
悪質なクレーマーなんかは、何時間もどなり続けることもあります。
そんな状況に精神が削られてしまった時は、
「今この怒鳴られ続けてる時間にも給料は発生している・・・!」
「今1時間怒鳴られたからこれで◯◯円稼げた!」
こう思うことで、クレームを受けた対価について考えることができます。
そして、仕事だと少し割り切れる気がします。
私は机に「金」というメモを挟んでいて、電話でクレームを受けてる時はその文字を見るようにしていました⋯(笑)
自分は今、上司や同僚たちに「頑張っているアピールができている」と考える
他の職員がクレーム対応しているときって、周りは気に掛けるものだと思います。
◯◯さん、怒鳴られてるけど大丈夫かな⋯?
と、同僚や上司だって思っているはずです。
クレームを受けた後って、大抵誰かが話かけてくれませんか?
運悪く自分が対応することになったのだと思いますが、そのおかげで他の人がクレームを受けなくて済んでいる、ということなんです。

自分が逆の立場だったら、
当たり前にその人に感謝しますよね。
そして、「クレームを受けて頑張った人」としてきっと評価は上がっている!と前向きに捉えることで、少し気を紛らわすことができます!
(電話の場合)別の作業をしながら聞き流す
これは電話に限ってしまうのですが、別の作業をしながら聞き流すことです。
私は途中からこれを本当によくやるようになりました。
こうすることで、
- 意識が分散されるのでクレームを真に受けない
- 効率的に他の業務を進められる
というメリットがあります。
ただ、いきなり質問をされたときにうまく言い逃れる必要があるので少し注意が必要です⋯!
上司に代わるor同席してもらう
1人でクレームに対応し続けるのは、本当によくありません。
以前私が参加したクレーム対応研修でも、
クレームは必ず複数人で対応すること
と講師の方おっしゃっていました。
1人で対応すると、
- 1人で抱え込んでしまい、精神的負担になりやすい
- 毎回自分が対応させられるようになる
といったことが起きてしまいます。リスク分散させる必要があるんです。
無理だ、と思ったらすぐ上司に代わっていいと思います。そのために上司がいます。
また、ヒートアップしている人は、上司に代わると落ち着く可能性大です。
(私の経験上、こういう人がほとんどです)
言いづらいかもしれませんが、上司に「代わってください」と言うことも必要です。
自分を守るために、勇気を出しましょう。

上司から「代わるよ」と言うべきだと思いますが、
なかなかそんな良い上司もいないですよね⋯
それでも限界な時は、環境を変えることも考える
クレームに耐える方法をご紹介しましたが、それでも辛い場合は逃げることも考えてください。
耐え続けると、精神を崩してしまう可能性があります。
転職する
市役所へのクレームがあまりにもしんどいと感じる場合は、転職することも考えましょう。
転職サイトに登録するだけでも、メリットはたくさんあるんです。
- いつでも辞められるという心の余裕ができる
- いろいろな求人を見て可能性を感じることができる
登録して転職活動をするのは何のリスクもありませんので、おすすめです。
フリーランスになる
会社に所属せず、フリーランスになるのも1つの手です。
スキルも無いのにそんなこと可能なの?
という声が聞こえてくるかと思いますが、私はスキルなしの状態から現在フリーランスとなっています。
努力してスキルアップすれば、誰でもフリーランスになれると思っています。
ご興味があればコチラの記事も役立つと思いますので、ご覧ください。
部署異動を申し出る
市役所を辞めることまではまだ考えてない⋯けど辛い⋯
こういう方は、人事課に部署異動を申し出るのも手です。
クレーム対応が無い部署に異動させて欲しいとお願いしてみてください。
精神的に辛いということも話せば、人事課としては対応しなければなりません。
それでも異動させてもらえなかったら、退職することも考えたほうがいいと思います。

自分を守ってくれないような職場からは、
逃げるべきです。
市役所へのクレーム対応がしんどい理由
市役所へのクレームは、どうしてこんなにもしんどいのでしょうか?
理由として、考えられることをいくつか挙げてみます。
「市役所には何も言ってもいい」と思われている
市役所は「公共のもの」「市民のための組織」だからこそ、一部の市民からは「何を言っても許される場所」だと思われがちです。
実際に私も、
- 税金で給料をもらってるくせに!
- 市民のために臨機応変に対応しろ!
と怒鳴られたり、理不尽な要求をされたことがあります。
市役所の職員も1人の人間です。
それなのに、「何を言っても反論できない相手」と見なされているように常々感じていました。
要綱や条例で「できることが限られている」のに、それを理解されにくい
市役所の仕事は、要項や条例に基づいて行うので、できることが限られています。
例えば、私が生活衛生課にいたときに、
隣の家の木がうちにはみ出してきて迷惑している。
市民のために職員が切れ。
といった相談を受けたことがあります。
私有地なのでもちろん職員が立ち入ることができませんし、他人の家の木を切っていいなんていう根拠もありません。
それを説明するのですが、
お前たちはできないことばっかりだな。
市民のために働いてるんだろうが!
と何時間にもわたって怒鳴られ、その日は本当に精神的にしんどい思いをしました。
市役所は市民全員に公平に対応する必要があるので、人によって対応を変えることも絶対にしてはいけません。
できないことはできない、とはっきり言って説明しなければならないのです。
そこからクレームに発展することが非常に多いと感じます。
民間などに比べて業務効率が悪い
市役所の仕事は、民間に比べて「非効率」と言われることが少なくありません。
例えば、
- デジタル化が進んでおらず、未だに紙の書類による手続きが中心
- 複数人で何重にもチェックをする体制(ミスを減らすためだが、時間はかかる)
これらのやり方に対し、
なんで市役所は未だに窓口に行って書類を出さないといけないの?
住民票1枚取るのになんでこんなにも時間がかかるの?
といったようなクレームはものすごく多いです。
言われていることはわかるんですが、これは市役所全体が根本的なやり方を変えないとどうしようも無いんですよね。
一職員としてはとりあえず平謝りするしか無いのです⋯。
縦割りの業務のためイライラされやすい
市役所では、業務が「担当課ごと」にきっちり分かれている、いわゆる縦割り体制になっていることがほとんどです。
一見すると合理的に思えるかもしれませんが、実はこれが市民対応において大きなストレスの原因になっていました。
たとえば窓口でこんなケースがあります。
「これ、福祉課で聞いたらこっちに行けって言われたんだけど?」
「こっちでやってくれないの?」
市民の方からすれば、「市役所=全部まとめて対応してくれる場所」という認識があるため、
担当が違うからといって他の課を案内すると、「たらい回しにされた!」と怒られてしまうのです。
実際には、
- 担当外の手続きを行うことはルール違反
- 間違った案内をしてしまうと、あとで責任問題になる
- 課をまたいだ業務連携がスムーズにできる体制が整っていない
といった背景があるのですが、
それを一つひとつ丁寧に説明しても、なかなか納得してもらえないことも多いのが現実です。
結果として、「市民対応の最前線」にいる職員が一番つらい思いをすることになります。
自分ではどうにもできない仕組みのせいで責められ続けるのは、精神的にかなりしんどいですよね。
まとめ│本当にしんどい時は、逃げてもいい
私が市役所時代に実践していた、「クレームから自分の心を守る方法」をいくつかご紹介しました。
クレーム対応って本当に辛くて、長時間にもなると自分がおかしくなってしまう感覚すらあるんですよね。
どんな風にしても、やっぱり耐えられそうにない⋯
という方は、そこから逃げる方法だって考えていいんです。
耐え続けて、このままうつ病になってしまったらどう感じますか?なんとしてでも避けたいですよね。
無理をして耐える必要は無い、ということをまず伝えたいです。
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