私は、入庁して1年目から「市役所の仕事が辛い」「辞めたい」という気持ちがありました。
その思いを抱えたまま11年間我慢してきましたが、現在は退職してフリーランスになっています。
この記事では、
- 私が”公務員を辞めたい”と感じるようになったキッカケ
- 何故、退職に向けて行動を移すことができたのか
をお伝えしていきます。
同じように悩んでいる方に、行動する勇気を与えることができればいいなという思いでこの記事を書きます。
市役所へ入庁│当初の希望と現実のギャップ
就活に自信が無く、公務員という道を考え始める
私は大学時代から、ものすごく自己肯定感が低い人間でした。
就活に関しては、
- 自分なんかを採用してくれる企業なんて無い
- 就活なんかしても絶対うまくいかない
と考えていました。
公務員であれば、試験さえ受ければ面接は最低限答えられればいいという甘い考えで、市役所を受験しました。
正直、市役所って楽なのでは?と思い入庁
採用試験に合格し、無事市役所に入庁することが決まりました。
当時の自分は、
市役所って楽だし安定してるからラッキー!
と、かなり甘い考えをしていました⋯。
入庁してみてこれが覆されることになります。
1箇所目:介護保険課│クレーム、パワハラで追い込まれる
入庁当時は、介護保険課に配属されました。
主に窓口で市民と直接関わりのある課になります。
ここで、私の考えが甘かったということにすぐ気づきます。
クレームの多さに驚く
入庁して間もなく、たくさんのクレームを受けました。
”介護保険制度”というものに納得できない方からの問い合わせや、保険料が高いといった内容です。
制度に関するクレームだけでなく、職員の人格を否定するようなことまで言う人もいます。
大人になってまでこんなに毎日怒鳴られるなんて頭がおかしくなりそう⋯
と日々思いながら、メンタルが削られていく日々を過ごしました。
私がクレームに少しでも耐えれるよう実践した方法も紹介しています。
気になる方はこちらも参考にされてみてください、
直属の上司がパワハラ気質
入庁直後の上司が、考え方が古い気質で今となってはパワハラだったなと思います。
- 有休を取らせてくれない
- 業務の説明をほぼしてもらえない
- 常に機嫌が悪く話しかけづらい
これらのことから、上司の扱いにも悩まされました。
クレーム対応に加えて上司との関わり方にも悩んでいたので、本当にしんどかったです。
辛いけど、我慢するしかないと考える
入庁してすぐ、市役所が楽なんてことはないとわかりました。
ですが、転職活動をしても自分はうまくいかないと決めつけていました。
仕事を失うわけにもいかないので、「このまま耐えるしか無い」と思い、毎日出勤していました。
2箇所目:財政課│残業の嵐、他課に嫌われる役割
2箇所目に異動したのは28歳の時でした。この頃に結婚します。
子どもも欲しかったので、尚更辞めるなんてことは絶対にできないと思い込んでいました。
残業が月に100時間を超える
どこの市役所でもそうだと思いますが、財政課はとにかく残業が多いです。
予算編成の時期は特にスケジュールがタイトなため、毎日日付が代わるまで残業することもざらです。

市役所は定時で帰れるなんてイメージは嘘です。
新婚だったのに、毎日仕事をすることに必死でした⋯。
他課の予算調整。市民対応とはまた違うストレスを感じる
介護保険課ではクレーム対応が本当に辛かったので、異動当初は
財政課は市民との関わりが無い分、全然マシだ!
と思っていました。
ですが、財政課は立場上、職員から文句を言われることが多いのです。
例えば、「ここの予算を減らすことはできませんか?」といった交渉を各課にしなければなりません。
そういった時に、「そんなの無理だ!」と怒りを買ってしまうことが多々あります⋯。
市民からの理不尽なクレームも辛かったですが、内部の人間と衝突することもなかなかきつかったです。
ここで一人目を妊娠し出産
私は財政課にいるときに一人目を妊娠しました。
つわりが本当に酷かったので、2ヶ月ほど休んでしまいましたが、なんと給与が全額出たのです。
ここで公務員の福利厚生制度にありがたみを感じます。

女性は特に公務員であるべきだな⋯と感じてしまいました。
3箇所目:生活衛生課│理解のできないクレーム
育休から復帰後、生活衛生課に異動しました。
「ごみ処理に関すること」や、「ペットや騒音など環境に関すること」の業務を担当しました。
ここでの業務が市役所人生最後になります。
介護保険課とは違った対応の難しいクレーム
介護保険課では、「介護保険制度」があったので、それを根拠に説明をすることができました。
ですが、生活衛生課では根拠となるものが無い中での対応がほとんどだったんです。
例えば、
- 隣の空手教室がうるさい
- 近所で飼っている犬の鳴き声がうるさい
- 野生のタヌキが糞をして困っている
こういった相談を受けました。
どれも、法律や条例で制限できるような内容ではないんですよね。
ですが、何もしなければ市民の方はご立腹されてしまいます⋯。
「お願い」という形で、相手先を訪問することはありましたが、何の権限も無いので結局どうにもできません。
こちらもどうしようもないので、
市はやっぱり何もしてくれない!
と文句を言われることが多々ありました。
このようなクレームが続き、自分が追い詰められているのを感じ始めました。
人手不足により2人分の業務を持たされる
11年間務めてきた中で、年数が経つに連れ、人手不足をひしひしと感じていました。
- 転職などで辞める人が増える
- 病気休暇により休む人が増える
- 新規採用職員の応募が少ない
といったことが原因で、現在働いている職員は負担が増えていっているのです。
私は育休後、フルタイムで復帰しましたが、ある時から業務量が倍になってしまいました。
保育園の迎えもあるのに、毎日残業なんてことも到底無理です。
さらに、持ち帰って仕事をすることも許されていません。
昼休みを返上して、朝早くに出勤して全力で仕事を片付けていました。
そして帰ったら育児に家事⋯心身ともに限界を迎えていくことになります。
上司に相談するも、解決せず
業務量があまりにも多く、「このままだとまずい」と思い始めました。
私は他の係員と比べて業務量が公平ではないと感じていたので、
自分の業務を少しでも他の職員に分散させられないか
と相談しましたが、有無を言わさず却下されました。
何故、自分にだけこんなに業務を増やされるのか?
不公平感もあり、ずっとモヤモヤしていました。
体に不調が出始め、病気休暇に入る
心身に限界が来て、有無を言わさず病休に入る
市民からはクレームを言われ続け、業務量は多く一息つく暇もない⋯
そんな毎日が続いていました。
すると私はいつのまにか、
- 家でも家族と一言も話さない
- 子どもに話しかけられても答えられない
- 土日でもクレームが頭の中をぐるぐるまわっている
- 勝手に涙が出てくる
こういった症状が出始めていました。
するとある朝突然、布団から体が全く起き上がれなくなりました。

限界がきたんだな⋯とそこで気づきました。
そこから病気休暇に入ることになったのです。
休養中、退職について具体的に考え始める
休養中は、自分の今後について見つめ直す時間がたくさんありました。
病気休暇に入る前の直前の自分の状況や、これまでずっと市役所を辞めたいと思い続けていたことと向き合いました。
- これから先何年もクレームに耐え続けるなんて無理⋯
- 職場の人間関係も面倒くさい
- 市役所は今後どんどん人手不足になって大変になるだろう
このような考えから、
病気休暇を取ったんだしこれを機にもう辞めるしか無い
と思いました。
夫に、退職してフリーランスになりたいことを伝える
夫は、収入面からしても私にはずっと働いて欲しいという意思があります。
それがあって、私には辞めるなんて選択肢は無いと思っていました。
ですが、私はもう絶対に辞めたいという強い意志があったんです。
どうにかして説得しようと思いました。
そこで私は、
収入面で安心させられるようにA41枚でフリーランスでの収入計画を作って渡そう
と決めました。
A4の資料には、
- 市役所をずっと辞めたいと思っていたこと
- 柔軟な働き方ができるフリーランスになりたいと思っていること
- 動画編集やブログに挑戦してみたいこと
- 収入が少ないうちは私個人の貯金から生活費を出してもいいこと
- 3ヶ月後、半年後、1年後の収入ステップ
などを書きました。
いきなりこんなのを見せられて夫もびっくりしていましたね。笑
私のようにうまく説明できる自信が無い方は、
落ち着いて紙にまとめてみた方が、言いたいことをヌケモレ無く伝えられるのでオススメです。
フリーランスになる覚悟を見せることで、夫も応援してくれました。
退職を決意する際に不安だったこと
収入に関する不安
夫1人の収入では生活が苦しくなってしまうので、一番不安なのは収入でした。
ただ、退職と決めたからにはもうやるしか無いんです。
そして、退職後少しでも早く収入が安定できるように、
- 動画編集のスキルアップ
- ブログを作ってみる
- フリーランスの知り合いを作る
などによって、安心感を得られるように努めました。
私がフリーランスになるために行った準備などについてはこちらに詳しく書いておりますので、よろしければご覧ください。
家族を説得できないという不安
11年間退職する決意ができなかった大きな原因としては、
「家族が納得してくれるはずがない」
という思いがあったからです。
ですが、私はそもそも伝えようともしていませんでした。
先ほどお伝えしたように、自分の思いをA41枚にまとめて書き出すことで、
落ち着いて自分の伝えたいことを整理し、思いを伝えることができました。
頭の中を整理するという意味でも、伝えたいことを書き出してみるだけでもオススメします。
周りの目が気になる
私は昔から、「周りにどう思われているか」を過度に気にしてしまう方です。
- 公務員辞めたりしたら、変人に思われるんだろうな
- フリーランスになりたいとか、夢見てるだけと思われそう
このようなことを考えてしまい、退職することにネガティブになっていました。
ですが、市役所での仕事が原因で病気休暇に入ったことで、
自分の人生なのだから、自分が一番良いと思う方法で生きるのが一番幸せ
だと思うようになったんです。
周りにどう思われようと、関係ない。
自分が幸せに生きるためにはそのような考えが必要だということに気が付きました。
市役所を退職するという決意
病気休暇から4ヶ月後にそのまま退職
病気休暇中の時間を使って考えることで、私は復帰せずに退職する道を選びました。
「病気休暇に入る」という状況が無ければ、退職するという決断をしきれなかったかもしれません。
ただ、辞めたいという気持ちが少しでもあるならば、その気持ちに向き合ってみて欲しいです。
公務員って、退職まで公務員でいるのが当たり前だという風潮がどうしてもありますよね。
その中でもがいている人たちって、たくさんいると思います。
私のブログを読むことで、そのような人たちの背中を押してあげることができればいいなと強く思っています。
退職した後の思い
実際に退職してみて、後悔は1ミリもありません。
退職前は不安なこともありましたが、
クレームや人間関係から解放されたことが本当に幸せに感じます。
収入面でも公務員時代よりは全然安定していませんが、
「頑張ろう!」という気持ちもあり、前向きに頑張っています。
まとめ│公務員を辞めたって、なんとかなります
今、公務員として働いていてつらい思いをしている方がいれば、
公務員以外で働くという選択肢もある
ということを伝えたいです。
公務員として働いている以上、周りには公務員しかいません。
その状況が、さらに視野を狭くしてしまっていたんだと思います。
少し勇気を出して、
- 転職サイトをのぞいてみる
- フリーランスについて調べてみる
だけでも大きな一歩だと思います。
以前の私のように、公務員を脱したい方が、少しでも行動できるようになることを願っています。
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