「介護保険課に配属されたけど、クレームが多すぎてしんどい…」
こう感じているのは、あなただけではありません。
市役所の介護保険課は、配属された直後から「洗礼」を受ける部署です。私自身、入庁1年目に介護保険課へ配属されて、最初の数ヶ月間は毎日のように頭を抱えていました。
この記事では、
- 介護保険課がなぜ辛いのか、その理由
- 実際に働いた私が経験したリアルな体験談
- 辛くなったときにできる選択肢
について、元市役所職員の私の経験をもとにお伝えします。
市役所の介護保険課ってどんな部署?
主な仕事内容
介護保険課の業務は、大きく分けて3つあります。
保険料の管理業務と保険給付の審査業務、要介護認定の業務です。
保険料の管理業務では、65歳以上の方全員に毎年保険料を計算・通知し、年金から天引きする額を決定します。
保険給付の審査業務では、実際に給付が適正に行われているかを審査します。
認定業務では、要介護・要支援の認定申請を受け付け、訪問調査や主治医の意見書をもとに審査を進めます。
新人が配属されやすい部署でもある
介護保険課は、新人職員が最初に配属される部署として知られています。
「まずは窓口業務に慣れてもらおう」という方針がある自治体も多く、私も入庁1年目に配属されました。
しかし新人だからといって楽な仕事ではなく、むしろ制度の複雑さやクレームの多さに圧倒される人が少なくありません。
市役所の介護保険課が辛い理由5選
① 夏の保険料通知後はクレームが殺到する
7月になると保険料の通知を発送します。
これが介護保険課にとって、1年で最も憂鬱な時期です。
65歳以上の方全員が対象で、収入が低くても、介護保険を使っていなくても、必ず支払わなければならない保険料です。
「使っていないのに払うのはおかしい」「こんなに高い金額、納得できない」というクレームが一斉に届きます。

「使ってないから払いたくない」という気持ちはよくわかります。でも法律で決まっているので、こちらにはどうにもできない。それを伝え続ける立場がとにかくしんどかったです。
② 通知の金額を絶対に間違えられないプレッシャー
保険料の通知は、年金から天引きされる金額を決定するものです。
1円でも間違えたら、何千人もの方の年金額に影響が出るという重大な業務です。
ニュースでも「誤った納税通知書を送付」という報道を目にすることがありますよね。
あれが自分の身に起きるのではないかという恐怖は、実際に担当になってみて初めてわかりました。

発送前の確認作業が続く時期は、不安で夜も眠れないことがありました。「見落とした数字があったら…」という緊張感がずっとついてまわっていました。
③ 認定業務は1件1件が精神的に重い
要介護認定の業務は、保険料とは違う種類の大変さがあります。
認定は法に基づいて適切に行われますが、「もっと重い介護度が必要なのに、なぜ軽くなったのか」と納得できないご家族からのクレームが入ることがあります。
感情的になりやすく、対応が何度も繰り返されるケースも少なくありません。
1件1件、その方の人生に深く関わる内容なので、軽い気持ちでは受け止められないのが正直なところです。
④ 3年ごとの制度改正でまた一から覚え直す
介護保険制度は3年に1度、改正が行われます。
そのたびに仕組みが変わり、計算方法や手続きも変わります。
やっと慣れてきた頃に制度が変わり、また一から覚え直す。
さらに介護保険料は年々上昇しているため、改正のたびにクレームも増えていくという悪循環があります。
⑤ 自分のせいではないのに怒られ続ける
保険料の金額も、認定の結果も、法律や制度によって決まっていることです。
担当者である自分には、どうにもできないことがほとんどです。
それでも怒りは目の前にいる職員へ向けられます。
「自分が悪いわけじゃないのに、なぜここまで怒られるのか」という理不尽さが、じわじわと心を削っていきます。
【みりの体験談】入庁1年目で介護保険課に配属された私の話

私が介護保険課に配属されたのは、入庁したての4月のことでした。市役所での仕事が初めてで、何もわからないまま保険料の担当になりました。
介護保険料は、65歳以上の方全員が対象です。
収入が低くても、介護保険を一度も使っていなくても、必ず支払わなければなりません。
「介護保険を使わないから払わない」という選択肢は、法律上ないのです。
この制度に納得がいかずクレームを入れてくる方が、本当にたくさんいました。

保険料通知は年金から天引きされる金額を確定させるもの。絶対に間違えられないというプレッシャーがありました。ニュースで誤った通知書の報道を見るたびに「自分が間違えたら」と不安で、眠れない夜もありました。
そして7月、保険料通知を発送した直後からクレームの電話が鳴り止まなくなりました。
「なんでこんなに高いんだ」「年金からこんなに引かれたら生活できない」「使っていないのに払うのはおかしい」。
担当者である私が窓口になるため、ひたすらクレーム対応の毎日が続きました。

「こんなに怒られる仕事なの?」と、本当にびっくりして悲しくなりました。最初のうちは耐えられなくて、正直、辞めたいと思いました。
それでもなんとか乗り越えられたのは、自分なりの考え方を持つようにしたからです。
自分に言い聞かせていたこと
- 「クレームを受けている間にも、給料が発生している。これは仕事だ」
- 「時間のある高齢者の方が、話し相手を求めてかけてくることもある」
また、認定業務については私は直接担当していませんでしたが、職場では納得できないご家族が何度も窓口に来るケースを目にしました。
1件1件が重たく、長引く対応は見ているだけでも消耗しました。
介護保険制度は3年ごとに改正されます。
慣れた頃にルールが変わり、また覚え直す。そして保険料は年々上がるのでクレームも増えていく。
この繰り返しが、介護保険課という部署を特に消耗させる理由だと、今になって改めて思います。
介護保険課が辛くなったときの3つの選択肢
介護保険課の辛さに限界を感じたとき、取れる行動は主に3つあります。
① 異動希望を出す
最も現実的な選択肢は、異動希望を申請することです。
多くの自治体では年1回、希望異動を申請できる仕組みがあります。
「今の部署がしんどい」と正直に伝えることは、決して恥ずかしいことではありません。
自分の体と心を守るために声を上げることも、大切な行動です。
② 病気休暇・休職を使う
心身に限界を感じているなら、病気休暇や休職という選択肢があります。
地方公務員は、医師の診断書があれば病気休暇を取得できます。
「休んでもいいのかな」と遠慮する必要はありません。倒れる前に制度を使うことが大切です。
③ 退職・転職を考える
それでも「もう限界」と感じたなら、退職や転職を選ぶことも立派な判断です。
公務員を辞めることへの不安は、私も感じました。
でも実際に辞めてみると、「思ったよりずっと大丈夫だった」というのが本音です。
まとめ|介護保険課の辛さは、あなたのせいではない
介護保険課が辛い理由を整理します。
- 保険料通知後はクレームが殺到する
- 金額を絶対に間違えられないプレッシャーがある
- 認定業務は1件1件が精神的に重い
- 3年ごとの制度改正でまた覚え直しになる
- 自分のせいではないのに怒られ続ける
これらはすべて、制度や仕組みによる構造的な問題です。あなたが弱いわけでも、向いていないわけでもありません。
公務員を辞めることは怖いことですが、私が実際に辞めて感じたのは「思ったよりずっと大丈夫」だということです。
あなたにとっての最善の選択ができるよう、心から応援しています。


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