「休んでいるうちに、このまま復職すべきなのか、退職すべきなのか、ずっと答えが出ない…」
こう感じているのはあなただけではありません。
休職中というのは、体も心もまだ回復しきっていない状態です。
そんな中で「どちらが正解か」を考え続けるのは、本当に消耗することだと思います。
私自身、地方公務員として11年間勤めたあと、適応障害で約4ヶ月の病気休暇を取りました。
結果、私は「退職」を選びました。
- 復職を選ぶべき人・退職を選んでいい人の特徴
- 私が退職を決断できた判断基準
- 休職中にやっておいてよかったこと
について、元市役所職員の実体験をもとにお伝えします。
休職中に「復職か退職か」で悩むのは当たり前
「こんな大切な決断、休んでいる間にしていいのだろうか」と不安になる方も多いと思います。
でも、悩んでいること自体はまったくおかしくありません。
休職中は判断力が落ちている。だから焦らなくていい
メンタル不調で休職しているとき、脳はまだ正常に機能しきっていません。
医療の専門家も「休職中の重大な決断は、体が回復してから」と言うほどです。
それでも、「早く答えを出さないと」と焦ってしまうのが人間です。
私もそうでした。でも、その焦りが判断を誤らせることがあります。

私は休職に入ってすぐ、心の中では「もう戻らない」と決めていました。でもそれを誰かに言う勇気はなくて、ただ悶々としていた時期がありました。
「元に戻れるか?」より「戻りたいか?」で考える
復職か退職かを考えるとき、多くの人が「自分は元の状態に戻れるか?」を基準にしがちです。
でも私は、この問いの立て方自体が違うと感じています。
本当に聞くべき問いは、「元に戻れるとしたら、戻りたいか?」です。
「戻れるか」は体の問題です。でも「戻りたいか」は心の問題です。
この2つを混同すると、ずっと答えが出ないまま時間だけが過ぎてしまいます。
復職を選んでいい人の特徴
退職が正解だとは限りません。状況によっては、復職を選ぶことが自分にとってベストな場合も十分あります。
以下のような状況なら、復職を前向きに検討してほしいと思います。
ストレスの原因が変わる見込みがある
休職の原因が「特定の上司」「特定の部署」にある場合、復職のタイミングで異動や環境の変化が見込めるなら、状況が大きく変わることがあります。
公務員は数年おきに人事異動があります。
「あの上司さえいなければ続けられた」という方は、次の異動を一つの基準にしてみてください。
「環境が問題で、仕事自体は嫌いではなかった」
業務そのものにやりがいを感じていた、市民の役に立てている実感があったという場合は、環境を変えることで気持ちが回復することもあります。
「仕事は嫌いではないが、人間関係や業務量がしんどかった」という方は、部署が変わるだけで働きやすくなるケースもあります。
経済的な事情でもう少し在籍が必要な場合
住宅ローン・育児・介護など、生活の事情からすぐに退職できないケースもあります。
そういった場合は、無理に退職を急がず、まず復職して退職後の準備を整えるという選択も一つの方法です。
退職を選んでいいと気づけた3つのサイン
逆に、私が「退職していい」と気づけたのは、次の3つのサインがあったからです。
① 復職を想像したとき、体が拒否反応を示した
「来週から戻る」と想像したとき、気持ちが沈んだり、体が重くなる感覚はありますか?
言葉で「復職したほうがいい」と思っていても、体が正直に反応することがあります。
体の反応は、頭の理屈より正確なことがあります。
② 「回復したら戻りたい」と一度も思わなかった
休職期間中に「元気になったら戻りたい」と思えた瞬間が一度もなかったなら、それは一つの答えかもしれません。
復職する意欲がある人は、休んでいる間も「早く戻りたい」という気持ちが芽生えることが多いです。
それがまったくないのであれば、体ではなく心がすでに「戻らない」と決めている可能性があります。
③ 辞めた後の選択肢が少しずつ見えてきた
「退職したら何をするか」が少しでも具体的に描けてきたなら、それは前に進むサインです。
転職活動を始めてみた、フリーランスについて調べ始めた、スキルを学んでみた——
どんな小さな一歩でも、「次」への意欲が生まれているということです。
適応障害で退職を決めた私の体験談はこちらの記事でも詳しく書いています
【私の体験談】4ヶ月考え続けてわかったこと
正直に言います。私は、病気休暇に入った最初の段階で、すでに退職を決めていました。
でも、それを誰かに言う勇気はなかったし、「本当にそれでいいのか」と何度も自分を疑いました。
私はもともと、かなり周りの目を気にするタイプです。
休職したことで「あの人は休んでいた人」というレッテルを貼られることが、正直とても怖かったのです。
「復職すれば、そのレッテルを早く消せるかもしれない」そう考えて、一時は復職を検討したこともあります。

でも少しずつ気づいていきました。レッテルというのは一時的なものです。そのために自分の体と心を犠牲にするのは、本末転倒です。
そして、もう一つ正直に言うと、私には10年以上「市役所を辞めたい」という気持ちがありました。
毎年のように「いつかは辞めよう」と思いながら、ずるずると続けてきた11年間でした。

休職は、辛い出来事でした。でも同時に、10年越しの決断ができる「きっかけ」になったんだと思っています。
転職活動もしましたが、どこかで「また組織に入り直すこと」への抵抗感がありました。
もっと自由に働きたい。そんな気持ちから、フリーランスという選択肢が頭に浮かびました。
フリーランスの道が簡単ではないのは、最初からわかっていました。
でも、私には一つ確信があったことがあります。「辞めるためなら、どんな努力でもする」という覚悟でした。
副業禁止のため、休職中に実際に仕事をすることはできません。
でも「学ぶこと」はできます。デザイン・動画編集・Webライティング……いくつかの講座を受けて、退職後すぐに動ける状態を整えていきました。

「復職しようかな」と悩む時間を、私は「次の準備をする時間」に使いました。今思えば、それが正解でした。
退職後は順調だったわけではありません。睡眠時間も休日も削りながら、必死に動いた時期がありました。
それでも続けられたのは、「もう役所に戻りたくない」という気持ちが原動力だったからだと思います。
今は、動画編集の収益に加えて自分のコンテンツからも収入を得られるようになり、公務員時代よりも稼げる状態になっています。
⚠️ フリーランスの道は甘くありません
- 睡眠時間・休日を返上して稼ぐ時期があった
- 収入が安定するまでに時間がかかる
- 「辞めるためなら何でもする」という覚悟が必要

退職して、本当によかったと思っています。フリーランスは全然甘くないです。でも毎日、「今日もクレームの電話が来ない」と思えるだけで、十分幸せです。
病気休暇の制度やメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてください
復職でも退職でも、決断を後押しする考え方
どちらを選んでも「逃げ」ではない
「退職は逃げなのか」と悩む方は多いです。
でも私は、退職も復職も、どちらも「逃げ」ではないと思っています。
自分の体と心を守るための選択を、逃げとは呼びません。
壊れるまで働き続けることのほうが、長い目で見たとき自分にとっても周りにとっても損失が大きいのです。
休職中の給与制度——焦って決める必要はない
地方公務員の場合、病気休暇・休職中でも一定期間は収入が保障されます。
おおよその目安として、
- 病気休暇(有給):最大90日、全額支給
- 休職1年目:給与の80%が支給される自治体が多い
- 休職2年目以降:無給(3年経過で失職となるケースが多い)
※自治体によって制度が異なります。正確な内容は勤務先の人事担当に確認してください。
給与が保障されている期間は、焦らず自分の答えを探す時間として使ってください。
制度があなたの味方をしてくれている間に、次の一歩を考えることができます。
病気休暇からそのまま退職するとどうなるか気になる方はこちらの記事も読んでみてください
退職後の体験談についてはこちらの記事でも詳しく書いています
まとめ|「戻りたくない」が答えなら、それが判断基準
復職か退職か、正解は人によって違います。
でも、「復職を想像して体が重くなる」「回復しても戻りたいと思えない」「次の選択肢が具体的に見えてきた」——この3つが重なっているなら、答えはもう出ているかもしれません。
- 「戻れるか?」より「戻りたいか?」で考える
- 復職を選んでいい人には、それなりの理由がある
- 退職のサインは、体と心の反応が教えてくれる
- どちらを選んでも逃げではない。自分を守る選択を
公務員を辞めることは、怖いことです。私もそうでした。
でも私が実際に辞めて感じたのは、「思ったよりずっと大丈夫だった」ということです。
あなたにとっての最善の選択ができるよう、心から応援しています。






コメント